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中国人も驚きあきれて爆笑…進水式、祝典音楽が鳴り響く中で沈没
サーチナ 10月13日(木)10時20分配信

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甘粛省黄河に進水させた豪華遊覧船「酒鋼号」がそのまま沈んだ事故で、中国国内では12日ごろからインターネットにおける画像や映像の掲載が急増した。「進水当日即沈船」、「タイタニック号」、「おから遊覧船」などの見出しが並んだ。「大笑い」、「ブラックユーモア」、「驚爆」などの文字も並んでいる。
 甘粛省黄河に進水させた豪華遊覧船「酒鋼号」がそのまま沈んだ事故で、中国国内では12日ごろからインターネットにおける画像や映像の掲載が急増した。「進水当日即沈船」、「タイタニック号」、「おから遊覧船」などの見出しが並んだ。「大笑い」、「ブラックユーモア」、「驚爆」などの文字も並んでいる。

 掲載された動画では、現地政府幹部と思われる演説の一部も記録されている。「限りある時間の中で優秀かつ高効率に(任務を)完成し……」などと述べた。「遊覧船『酒鋼号』完成式典」の大きな文字が見える「特設ステージの上では、関係者約10人が直立して演説を聞いている。

 進水の場面では、まず現場指揮者と思われる人物が手を上げ、爆竹が鳴り響いた。船は川岸の上に置かれており、ワイヤーロープが緩められて水に向って坂を下り始めた。同時に、祝賀の音楽が流された。甘粛省など中国北西部独特の情熱的なメロディーをティンパニーなどを交えて派手にアレンジした曲で、あらかじめ用意した録音を拡声器を使って再生した。

 場面は一転して、船が沈みはじめたシーンになる。歌声やティンパニーの音は続いている。作業員があわてて怒鳴りあっているが、大音量の「祝典音楽」にかき消されがちだ。船は後ろ向きに「進水」した。船尾から全体の半分が沈んだ様子を紹介して、動画は終わった。

 同船は酒泉鋼鉄集団(酒鋼集団)が蘭州市に1768万元(約2億2300万日本円)を寄付する形で建造した。蘭州市は、観光業活性化のための「重点プロジェクト」などと宣伝していた。中国では官民が結託して手抜き工事を行い、浮いた費用を不正に流用する事件の「おから工程事件」がしばしば発生している。「酒鋼号」の沈没事故でも、「おから工程」を疑う声が出始めた。

 事故発生は9月29日だった。10月10日になり一般ユーザーがインターネットで紹介したことで知られるようになった。蘭州市当局は11日になり、事故について声明を発表した。その後、記事や画像、動画の掲載が急増した。ただし、12日に掲載されたが、13日には視聴ができなくなった動画もある。

 写真は中国の動画サイト「優酷(YOUKU)」に掲載された「酒鋼号」の進水式の様子。同動画は13日午前10時現在(日本時間)、視聴が可能だ。タイトルは「動画:大笑い! 指導者の話が終わったとたん、蘭州で巨額の遊覧船が試験航海でそのまま沈没」だ。(編集担当:如月隼人)

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最終更新:10月13日(木)17時46分