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福島第1原発 2地点で放射性物質急増 福島・飯舘村など
毎日新聞 3月28日(月)22時7分配信

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福島第1原子力発電所周辺の累積線量結果
 文部科学省は28日、福島第1原子力発電所から北西約40キロの福島県飯舘村で26日に採取した雑草1キログラム当たりから、過去最高値の放射性セシウム287万ベクレルを検出したと発表した。北西約45キロの川俣町でも過去最高値のセシウム57万1000ベクレルを検出。これまで減少傾向だった放射性物質が2地点で急増した。文科省は「採取場所が全く同じではなく一概に評価できないが、高いレベルの放射性物質が残留していることは確かで、農作物への影響を注視する必要がある」と説明した。

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 飯舘村の雑草のこれまでのセシウム最高値は20日採取分の265万ベクレル。セシウム半減期は約30年で、採取地点付近では拡散しないで残留している可能性が高い。一方、放射性ヨウ素は20日採取分の254万ベクレルから103万ベクレルに減少。半減期が8日のためとみられる。

 川俣町で26日採取された雑草のセシウムは25日採取の49万7000ベクレルを上回ったが、放射性ヨウ素は66万3000ベクレルから48万8000ベクレルに下がった。これも半減期の差が影響しているとみられる。

 27日に採取した水道水1キログラムでは、茨城、栃木、埼玉、東京など10都県で放射性ヨウ素0.34〜37ベクレル、栃木、東京など6都県で放射性セシウム0.25〜5.2ベクレルが検出された。

 28日午前9時までの24時間で採取した1平方メートル当たりの定時降下物(雨など)は茨城県で放射性ヨウ素74ベクレル、放射性セシウム21ベクレルを検出。他に9都県でヨウ素6.3〜59ベクレル、6都県でセシウム5.5〜36ベクレルを検出した。

 都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)は28日午後5時時点で茨城県0.229マイクロシーベルトなど7都県で1時間当たりの大気中放射線量の通常値を超えた。いずれも数値は低下傾向。

 一方、原発から20〜60キロ離れた福島県内の41カ所の屋外で28日午前6時〜午後4時にモニタリングカーで調査したところ、1時間当たりの大気中放射線量は0.3〜77.6マイクロシーベルトだった。【篠原成行】


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